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1968 年にイタリアのモンカリエーリに設立されたItaldesign社は、コンセプトカーと量産車の両方の自動車設計で広く知られています。とくに、バルセロナに拠点を置くItaldesign社のR&Dチームは、そのコンセプトを実現するための独創的な設計技術と革新的テクノロジーの導入で高い評価を得ています。

 

さまざまな車両設計においてイノベーションの限界を押し広げるため、Italdesign社のR&Dチームは多様なテクノロジーを活用しており、その中でも、ストラタシスのアディティブ・マニュファクチャリングが最前線に位置しています。PolyJet™やFDM®など、さまざまなモデルのストラタシス製3D プリンタが、Italdesignの進化を促進しています。

 

8年以上前からストラタシス製品を愛用しているItaldesign社は、ストラタシスのローカルパートナーであるComher社より、フルカラーのマルチマテリアル対応3D プリンタ「Stratasys J750™」を新たに購入しました。新しく追加されたさまざまな機能は、すぐに印象的な成果をもたらしました。

 

Italdesign Giugiaro Barcelona のゼネラルマネージャーであるDaniel Agulló氏は、次のように話します。「Italdesign では、車両設計に対する極めて高い期待に応えるため、常にイノベーションの方法を模索しています。自動車業界は絶えず変化しており、特定のコンセプトカーであっても、高度な設計の量産車であっても、私たちが生み出すものは常に時代を反映する必要があります。J750 を導入し、その比類のない機能が加わったことで、私たちの自動車製品はさらに拡充し、他のテクノロジーでは不可能な超リアルな外観、感触、質感を備えたまったく新しいインテリアデザインをお客さまに提供できるようになりました」。

 

 

“J750 を導入し、その比類のない機能が加わったことで、私たちの自動車製品はさらに拡充し、他のテクノロジーでは不可能な超リアルな外観、感触、質感を備えたまったく新しいインテリアデザインコンセプトをお客さまに提供できるようになりました。”
Italdesign社Giugiaro Barcelonaオフィス ゼネラルマネージャー Daniel Agulló氏
フルカラーのマルチマテリアル対応Stratasys J750 3Dプリンタ
フルカラーのマルチマテリアル対応Stratasys J750 3Dプリンタ

不可能なコンセプトを現実に変える

Agulló氏のチームは、ジュネーブモーターショーで披露できるように、Italdesign社の2019年度のコンセプトカー「Italdesign DaVinci」を製造することが求められていました。DaVinciの基本的なアイデアは、車体外側のアバンギャルドなスタイルを反映するよう、インテリア内にさまざまな豪華な素材とテクスチャを統合し、イタリア的な優雅さを最大限に引き出すことです。

 

このような洗練されたデザインを実現する方法を幅広く探求した結果、エレガントな外観と表面仕上げが魅力的な大理石を使用することが検討されました。しかし、伝統的な石造り加工では、モーターショーに間に合うように部品を製造することは不可能でした。

 

「私たちは、どうしても大理石で製造したいインテリア領域を、センターコンソール、エアコンの吹き出し口、ドア装飾の3 か所に絞り込みました。しかし、ジュネーブモーターショーまでに残された時間はわずかです。従来の技術では大理石の仕上げを達成できないことはすぐに明らかになりました」とAgulló氏は話します。

 

このような難題を解決するため、Italdesign社は、色のニュアンスや感触なども含めて超リアルな人造大理石を実現できる代替技術を探し求めました。すべてを厳しい締め切りまでに完成できるテクノロジーがどうしても必要だったのです。いくつかのソリューション候補をテストした結果、Italdesign社のR&Dチームは、大理石の模様とテクスチャを部品に直接造形するJ750 のユニークな機能に注目しました。そこで、チームはCAD経由で各部品をデザインし、レンダリングソフトウェアを使用して、大理石のテクスチャを部品にデジタルオーバーレイしました。すると、望んでいた効果が実現しました。デザイン検証の完了後、最終ファイルをGrabCAD Print™に入力すれば造形可能です。

 

Agulló 氏は、「J750がなければ、DaVinciの大理石部品を製造することは間違いなく不可能でした」と話します。「J750を使用することで、私たちは、毎回同じ高品質の大理石模様部品を迅速に造形することができました。この方法は、従来のプロセスよりもはるかに優れた再現性を備えています」。

 

「数週間単位の作業の代わりに、たった一度の週末だけで、4つのエアコン吹き出し口、2つのドア装飾、そしてセンターコンソールを造形することができました」とAgulló氏は続けます。「解像精度と材料品質の両方の点で、誰もが結果に驚いていました。そのため、デザインを修正する必要はありませんでした。実際、金曜日に造形を開始して、月曜日の朝までに、最終部品を検証のためにイタリア本社に提示する準備が整っていたのです」。

Stratasys J750 を使用して造形された大理石模様のエアコン吹き出し口
Stratasys J750を使用して造形された大理石模様のエアコン吹き出し口

もう一度「未来の車」を想像する

Italdesign社では、今後もJ750 を活用して、DaVinciコンセプトカーに実装した大理石模様と同様の方法で、未来の車のデザインをあらためて考えていくことにしています。

 

「J750 によって、私たちは、超リアルなプロトタイプ作成の可能性に気づかされました。可能性は無限であり、デザイナーは制限なく自由に想像力を働かせることができます。私たちはもう、アイデアが実現できることを知っているのですから」。

 

大理石模様のセンターコンソール造形。Agulló氏は次のようにまとめています。「私たちは数年前からストラタシスのベータプログラムに参加しています。Comher社およびストラタシスと緊密に連携することで、さまざまな自動車設計用途向けに3D プリンタを最適な形で活用する方法を学ぶことができました。また、それだけでなく、アディティブ・マニュファクチャリングが従来の方法に取って代わることができる新しい車載分野の用途を発見し、検証することができました。その結果、自信を持って新しいアイデアを探求し、デザインプロセスを革新してくことができるようになり、新しいビジネスチャンスをつかむこともできました」。

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