3Dプリンティング材料の比較

いずれの作業においても、最適な3Dプリンティング材料は所期の用途によって主に決まります。3Dプリンティング材料には、優れた機械特性を持つものや質感や色のリアリティを提供するものなどがあります。

熱可塑性プラスチック

熱可塑性プラスチックは、消費財から生産部品までさまざまな用途に用いられており、最も普及している3Dプリンティング材料の1つです。3Dプリントされた熱可塑性プラスチックは、ラピッドプロトタイピング、ツーリング、生産部品のような産業向け用途に最適です。

低コストなもの、生分解性のもの、高性能のものなど多種多様な熱可塑性プラスチック材料が利用できます。その多くが強靭、硬質にもかかわらず軽量であるため、金属に代わる低コストの選択肢となります。他にはTPUなどのゴムライクで耐久性を備えたものがあります。

一般的な熱可塑性プラスチック材料は次のとおりです。

  • ABS

    アクリロニトリルブタジエンスチレン(Acrylonitrile Butadiene Styrene)は、熱可塑性ポリマーの1つです。軽量、強靭、安価なプラスチックで、高温に耐えられます。子ども向け玩具から射出成形まで、ABSはさまざまな業界で多種多様な用途に利用されています。

  • PLA

    ポリ乳酸(PolyLactic Acid)は、植物のでんぷんなど再生可能資源から作られる強靭な半透明のポリエステルです。低コストかつ生分解性であり、さまざまな色で使えるため、ファストプロトタイピングやコンセプト設計にしばしば利用されています。

  • ナイロン

    ナイロン材料は、非常に強靭かつ耐久性があり、強度に対する柔軟性の割合が高い材料です。きわめて高い耐衝撃性と優れた耐薬品性を持っているため、機能部品など多くの産業向け用途に利用されています。

  • 軟質材料

    軟質熱可塑性プラスチックは、ゴムと硬質プラスチックとの混合であり、両者の特性を備えています。これらの材料は、TPE(熱可塑性エラストマー)またはTPU(熱可塑性ポリウレタン樹脂)と呼ばれ、きわめて高い耐久性と柔軟性があり、消費者向けおよび産業向けの用途の機能部品に利用されています。

ダイハツ工業は自社の自動車向けに、ASA熱可塑性プラスチック材料を使用してカスタムの「エフェクトスキン」を3Dプリントしています

中国東方航空社は、高性能のULTEM™ 9085樹脂材料を使用し、フライトバッグの設置台のような最終用途部品を製造しています。

金属

金属材料を用いた3Dプリンティングは、従来の金属製造技法に取って代わるものです。DMLS(直接金属レーザー焼結法)のような技術は、強力なレーザーによって、微細な金属粉末を焼結して個体物に変えます。この技術により、従来型の切削加工では不可能であった非常に複雑な金属部品を作ることができます。

3Dプリンティングでよく利用される金属には、ステンレス鋼、アルミニウム、チタニウムのような一般的な工業用金属、ならびに金やスターリングシルバーのような貴金属などがあります。

金属粉末のその他の用途として、プラスチックに添加して複合フィラメントを作ることができます。こうしたフィラメントは、従来型の3Dプリンタでプリントでき、金属の外観と重量感を備えた最終部品を作ることが可能です。

カーボンファイバー

カーボンファイバーは鋼に比べ、その半分の重量で最大5倍の強度を持っており、航空宇宙や自動車業界で高い需要があります。

3Dプリンティングにおいて、カーボンファイバーは、基本材料(通常はナイロンのような熱可塑性プラスチック)を強化する目的で最もよく使われています。こうして作られた複合材料によって、きわめて強度の高い軽量部品を作ることができます。

Utah Trikes社は、Nylon 12CF(カーボンファイバーで強化)材料を使用して、機能プロトタイプと最終部品を3Dプリントしています。

サポート材料

サポート構造は3Dプリンティングの核となる部分であり、この構造によって、より複雑な設計の形状、張出し、中空部品を作ることができます。

サポート材料にはいくつかの種類がありますが、最適なサポート材料は使用する造形材料によって決まります。ブレークアウェイサポート材料は後処理の1工程として手作業で除去しなければなりませんが、ソリュブルサポート材料は部品がプリントされた後、水中や化学溶液中で溶解します。

感光性樹脂

感光性樹脂はアクリルベースの樹脂であって、1層ずつ3Dプリントされ、UVレーザーによって硬化されます。

感光性樹脂を使った3Dプリンティングでは、複雑な設計形状であっても、正確で高解像度の部品を作ることができます。また、感光性樹脂は、滑らかで均一な表面を成形するのに適しています。

3Dプリントされた感光性樹脂をPolyJet技術と組み合わせることによって、医療産業向けの心臓モデルなどの非常に精細なモデルを作ることができます。色の正確さ、柔軟性、透明性のようなリアリティを高める特性も、PolyJet技術によって実現できます。

LAIKA社のアニメーションスタジオは、PolyJet材料で各キャラクターを成形し、同社が得意とするストップモーションアニメーションを製作しています。

3Dプリンティング材料は、このリストに記載されたもの以外にもあります。それぞれのニーズや用途に適する材料を選択できます。適切な材料を使えば、鋼よりも強靭で、生体適合性を備え、または生気あふれる色彩の3Dプリント部品を作ることができます。従来型の製造に縛られる必要はありません。3Dプリンティングを通じて、求める用途に役立つかたちで開発された材料を活用しましょう。

最高品質の3Dプリンティング材料について詳しく知りたい方は、ストラタシスの材料ページを参照し、それぞれの材料の詳細をご確認ください。