3Dプリンティングの歴史:この業界はどのようにして始まったのか

今日、3Dプリンタはどこにでもあります。1980年代初期以降、3Dプリンティングは数十億ドル規模の世界的産業に成長しました。

3Dプリンティングが登場する前、製品設計者とアーティストは2次元の世界に住み、紙上でデザインを作成していました。3Dモデルが必要になった場合、設計者は各部品を組み立てたり、ただの塊から切削したりしてモデルを製作しなければなりませんでした。こうしたモデルはプロトタイプとも呼ばれ、製作するのに時間とコストがかかっていました。1970年代、CADソフトウェアが登場し、設計プロセスが改善されました。設計者は時間のかかる手描きをやめて、コンピューターで設計図を作成するようになりました。これによりコストと時間が節約されたものの、モデルを作成するための簡単な方法はまだありませんでした。

プリンタを支える頭脳

プリンタを支援するソフトウェアについての話をしなければ、3Dプリンティングの歴史を完全に説明したことにはならないでしょう。3Dソフトウェアがまだなかった頃、設計者やエンジニアは平面で2次元の設計図を作成し、次いでアーティストがこうした設計図から3Dモデルを製作していました。このプロセスは手間とコストがかかるものでした。こうした状況は、3Dのコンピューター支援設計(CAD)ソフトウェアの発明によって様変わりしました。

設計者は自身のアイデアをそのまま3次元モデルで表現できるようになりました。第1世代の3D CADソフトウェアは非常に高額で、高性能のワークステーションを必要としました。初期のCADソフトウェアの主たるユーザーは、航空宇宙企業や自動車メーカーでした。これらの企業は、ソフトウェア会社と協力して3D CAD技術を改善しました。

3D CADソフトウェアは、幾何学的メッシュを用いてモデルを製作します。設計者は、コンピューター画面でモデルを表示して編集できます。モデルはSTLファイルによって、3Dプリンタが理解できる言語に変換されます。次いでCADモデルはプリンティングのため、スライサーソフトウェアによって仮想層にスライスされます。

いまや3D CADソフトウェアは、消費者がデスクトップ3Dプリンタで利用できるまでに安価になりました。進化する3Dプリンティング技術によって、引き続き品質と価格の改善が進んでいます。

ステレオリソグラフィー

1982年当時、設計エンジニアであったChuck Hall氏は製造上の問題を解決しようとしていました。彼はIndustry Weekとのインタビューで、その問題について説明しました。「その時のプロセスでは、部品を設計し、その計画書を作成し、次いでツールメーカーと協議し、その後でツールメーカーがプラスチック部品の金型を作っていました。その金型は成形業者に渡り、それから成形業者は最初の部品を射出成型します。早くとも6週間後、あるいは8週間後に、最初の部品を実際に見ることができたのです。」

Hall氏はステレオリソグラフィー(SLA)3Dプリンタの設計の特許を取得しました。彼は紫外線を使ってポリマーを層状に結合しました。紫外線がポリマー層に当たって層が硬化すると、紫外線はさらに下の溶液ポリマーに進みます。各層が硬化されていき、最後に形状が構築されます。

選択的レーザー焼結

大学生のCarl Decker氏は、レーザー技術を使った3Dプリンティング手法の特許を取得しました。選択的レーザー焼結(SLS)では、レーザーを使って熱可塑性粉末を形状化します。

熱溶解積層モデリング(FDM)

1988年、S. Scott Crump氏は、娘にプレゼントするおもちゃのカエルを簡単に作れる方法を探していました。ホットグルーガンを使って、溶かしたプラスチックを薄い層に流し込みました。彼はこの発明を熱溶解積層モデリング(FDM)と名付けました。

彼の機械は、プラスチックフィラメントを溶かして平面上で層状にします。プラスチックが冷やされると、形が形成されます。彼はその後、数値制御(NC)ソフトウェアを使ってこのプロセスを自動化しました。特許を取得したCrump氏とその妻Lisaさんは、ストラタシスの設立に着手しました。FDM®は、現在多くの3Dプリンタで用いられています。

活躍中の3Dプリンティング技術

プロトタイピングは、依然として3Dプリントモデルの最も一般的な用途です。設計者はモデルを作り、有形にした状態で設計を確認します。これによって、設計プロセスの早い段階で修正や改善を行うことができます。複合材や金属で3Dプリントされた部品は、その後に最終製品で利用されています。また、こうした部品は工場の作業現場で、成形型やツーリング向けにも利用されています。

この30年間で、数人の優れた人たちのアイデアによって成長著しい新たな産業が創出されました。彼らの長年の努力は今、何百万人もの発明家、アーティスト、エンジニアに恩恵をもたらしています。